両津「中川、もしかしてSwitch2を転売ヤーから買ったんじゃないだろうな」

両津「れっ、麗子！お前は知っていたのか！」

麗子「当たり前じゃない。この前記者会見までしてたわよ」

両津「そうか……子どもの名前は何にするんだ？ワシが決めてやろうか？」

中川「絶対に嫌です！それだけは嫌です！先輩に自分の子どもの名前を決められるのは嫌です！」

両津「そこまで嫌わなくても……」

麗子「日頃の行いのせいね」

両津「ところで結局のところSwitch2は転売ヤーからいくらで買ったんだ？」

中川「さあ？ぼくは値段見ませんから」

両津「こいつ！！！！！」

中川「いっ、痛い！な、何するんですか！！！！」

麗子「ちょっと両ちゃん！いくらなんでもやりすぎよ」

両津「あっ、ぶちょ〜〜〜〜〜！ 聞いて下さいよ！中川のやつSwitch2を転売ヤーから買ったんですよ！」

大原「Switch2？なんだそれは」

両津「えっ、部長！まさかSwitch2を知らないんですか！！！！？？？！」

大原「初耳だ」

両津「えええええええええ！ﾄﾞﾝﾋﾞｷｯ こんな原始人まだいたのか……」

大原「どうせくだらないものだろう」

麗子「部長、Switch2というのは任天堂が発売した新しいゲーム機で、いま品薄で手に入らないんですよ」

大原「なんだゲーム機か」

麗子「それがそのSwitch2を安く仕入れて高く売りさばく転売ヤーが最近多くて問題になっているんです」

大原「何。それは確かに問題だな」

両津「そうなんですよ！！それでその転売ヤーが出品しているSwitch2を中川が買ったんです！」

中川「かっ、買ってませんよ！」

大原「ふーん。まあよくわからんが、悪いことはしないようにな」

中川「はい！ありがとうございます！」

両津「こうなったらワシも転売ヤーになって売りさばいてやる！」

大原「お、おぉ急にどうしたんだ大介。Switch2ならもちろん知っておるよ。有名だからな」

大介「まだSwitch2買えてないんだけど、もし買えたら一緒にマリカしようおじいちゃん！」

大原（マリカ…？）

大原（マリカとやらはなにかは知らんが、これは孫との交流を深めるチャンス！）

大原「おほん……あぁ、その…なんだ…」

大介「どうしたの？」

大原「実はな、おじいちゃん、もうSwitch2持っているんだ」

大介「えっ！？？？？！？？？！」

大原「そうなんだ。実は会社の……

大介「ママ！！！！おじいちゃんSwitch2買ったんだって！！」

大原「ははは。はしゃぎすぎだぞ」

大介「おじいちゃん、でもそれって転売ヤーから買ったやつじゃないよね。ちゃんと抽選のやつだよね？」

大原（ギクッ！）

大原「もちろん！当たり前じゃないか！転売ヤーから買うのは最近問題になっているしな」

大介「よかった！！じゃあ今週末おじいちゃんちに行くからね！」

大原「お…おぉ……楽しみにしているよ」

大原（まずいことになった…）

大原「中川、ちょっといいか？」

中川「なんですか？」

大原「実はSwitch2が欲しくてな……孫と遊ぶ約束をしてしまって……」

中川「えっ！！！！！！」

大原「ちょっと、声が大きい！」

中川「それは少し難しいですね……」

大原「どっ、どういうことだ」

中川「実はあのあと先輩がぼくを脅してきまして……ありとあらゆるツテを使ってSwitch2を買い占めているんです」

大原「何ィ〜〜〜〜〜？？」

中川「それで見てください…今のSwitch2の価格です」

大原「1台30まん……」

中川「さすがに上がりすぎだってSNSでも叩かれていますね。ちなみにぼくの持っていたSwitch2も没収されました」

大原「そうか……」

麗子「両ちゃんおはよう……ど、どうしたのよその格好！全身がSwitch2になっているわよ……」

両津「これか？わはは！Switch2で体を覆ってみたんだ。この体についているものだけで総額2100万円だぞ！街を歩いていたら庶民たちが敵意丸出しでおもしろかったぞ」

麗子「さすがに下品よ。転売やめないとそのうち痛い目に遭うわよ」

両津「わはははは！！！所詮庶民の遠吠えよ！」

中川「せ、先輩……」

両津「ん？どうした中川、ああそろそろお前にもSwitch2売ってやってもいいぞ」

中川「いえ、そうではなく……」

大原「実は孫とSwitch2で遊びたいと思っていてな。よかったらSwitch2を譲ってくれないか。もちろんお金は払う！定価でだが…」

両津（……）

両津「中川が突然自分が転売ヤーから買ったことを認めただと！？」

麗子「昨日の夜記者会見したみたいで、すごくSNSで叩かれているわよ。任天堂も怒っているみたい」

両津「まずいぞ……この流れはまずい……」

麗子「でも大量の半導体供給を任天堂にすることを約束したらしいわ」

両津「まずい！！！！！値崩れする！！！！！」

大原「おはよう……」

麗子「あら部長。おはようございます。元気ありませんね？」

大原「ああ、昨日孫に嘘をついたことを謝ってな。とてつもなく嫌われたよ」

麗子「あらあら」

大原「まあ自業自得だな。はは。しかし私も目が覚めたよ」

麗子「そうですか」

両津「部長！！！！ちょっと出かけてきます！」

両津「なんだお前ら！どけ！ワシはこれから忙しい！」

モブ「Switch2の転売ヤーに天誅を下す！」

両津「なんだあ？お前らみたいなモヤシっ子に何ができると……ってうわあああああああ！なんじゃこりゃあああああ！」

モブ「お前の持っていたSwitch2のIDをすべて任天堂に送らせてもらった！」

両津「やめろ！それはワシのSwitch2だぞ！お前たちがやっていることは犯罪だ！」

モブ「犯罪で結構！俺達は転売ヤーを絶対に許さない！ただそれだけだ！」

両津「コイツ！！！！」

モブ「散開するぞ！！！！！ネットで晒し上げだ！！！！」

両津「おい待てっ！コラッ！待たんか！！」

テレビ「任天堂は本日11時ごろ、警察庁と連携してSwitch2をオンラインで300万台販売することを発表しました」

テレビ「また警視庁は、著しく高い金額でSwitch2を無断で転売していた自称警察官の両津勘吉容疑者を威力業務妨害の疑いで逮捕しました」

テレビ「この妨害により任天堂が被った被害額はおよそ10億円と見られており、近く任天堂は民事事件としても同容疑者を訴える方針です」

テレビ「容疑者は『ワシは悪くない！中川がぜんぶ悪い！』などとわけのわからないことを騒いでいますが、精神に異常は見られないとのことです」

中川「どうしてなのかはわかりませんが、なぜか先輩からSwitch2を買った人の個人情報も流出したみたいですよ」

大原「危ないところだった……」

麗子「高いお金を払ったのに不憫ね」

中川「ギザワロス。この言葉は自分で考えた」

おわり